太陽の嬰児

2007年12月2日
電話の声が壁に突き刺さり、
重々しい日曜日の図太さが炎症をおこす。
戸口から吐き出される緑色の分泌液、
薄い扉に隔てられた冷気に蛍光灯はしびれた。

窓に映る空の裂け目
そこから日光の胎児が生まれ落ちる。
理性の胎盤に赤く染まり
鈍重のコートを着たわれわれに糞尿を垂れる。
やがて駅の中のあらましを知ると、
紫色の空気を吸い込み
煮え立つ臓腑で膿を鋳造する。

アパートメントに並ぶ無数のモナド
扉から扉へと伝染する夜泣きの声
一箱の段ボールに込められたなめらかな怒りも
砕かれたロッカーにおさまる焦燥の録音も
光の授乳とともにとけて消え去る。

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