讃歌

2007年5月10日
緑の舌先がうつろう
散り往く垢の崩れに
月下
桃色のひとひら飲み込むもたえがたし

犬を讃えよ
そこらであばらをむいている犬を讃えよ
讃えよこれも儀礼なのだ
よじれた体毛に腐敗した卵が張り付いている
讃えよ信仰とはかくあるものだ
醜く鳴く声も知らない犬を
讃えよ讃えよ
そして讃えることがわれらの当為
当為なのだ
緑色の体液で鈍く光る犬
目が黒すぎて濁っている
だからわれわれは今讃えなくてはならない
讃えよそしてこれからも
必要な祈りの文句がほしいかならば電柱に告示された電話番号だけでかまわない
だから讃えよ
われらは讃え祈り服従する
そうしうて彼を讃えるのだ

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