単調な欲望

2005年9月24日
真昼の欲望は喧噪をもたらし夜ごとの礼儀作法は人々を圧迫する。
単純で単調な私の欲望は繊細なストールの手触りを知らずまた
鬱病患者の深い内奥など知るよしもない。
私の欲望は単純だ
真昼の雲の訪れは諸君に理性の切れ端を示すだろう
欲求は無個性で平凡で駅の改札で容易に手に入る代物だ
そして単調な女声の調べはお定まりの感傷で私の欲望をかきたてる
きれぎれの虚栄はこの罪を糾弾しそして罵声をあびせるが
私はそれを罪科などとはつゆおもわぬ
しかし私の欲望は苦いそしてやはり単純だ
我々は鏡のように単純で複雑で
左右しか反させるすべをもたずそしてその単調さゆえ
一つは真実一つは虚偽だと安易に信じてしまう
欲望は単純で単調だ
野菜ジュースよりも手軽に健康の消費を手に入れ
アルコールの増幅作用よりもはるかに苦痛をともなう
平板な苦痛は黄金のせせらぎを鈍いタールに変換し
臓腑にたぎるさわやかな煩悶を私の手に
星の彼方に
夜のたおやかな香りの先にささげるとしよう
だが充足は一体どこに?

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