錆つく侏儒

2005年7月30日
しばしば侏儒の縁取りは
 淀んだ緑の傘の柄に変わる
 錆びた先端
 窪んだブラシ
 影が路面にもたれかかる
そして彼女は侏儒の前で
 常に星を食していた
 気遣いをもって影を避け
 しかし緑の赤錆は
警笛の矢にも気づかない
女の繊細な気遣いは降り注ぐ
学問の鼻のごとく
ヘラクレイトスの正しさを投げ捨て
女の繊細な気遣いを踏みにじる
影は彼女を踏みにじる
よどみの中で
そして錆びた流れのさなかでも

彼女の目から太陽の砂が降り注ぐ
夜に浄化された女の気遣いは
湿潤な森の落涙となって
西方へ流れたゆたいそして遠のく

女の気遣いは海となり
侏儒の作法は水没する
錆がその身を蝕んでゆく
鉄の悲鳴が遠のいていく

錆の先端は傘になり
水没の中で回転する
 

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