破れぬ感傷
2004年12月26日思考の歯形が自我に残る
認識の毛並みには摩擦もなく
私と呼ぶ私とまた私と呼ぶ私が
手を合わせることのない中で
ただ一千光年前の光を現在だと信ずる
かたや真昼の石膏の上で
あるいは宵の帳をめくって
この目は触れるものをみな穢し
なお旺盛な思考の腹を満たすことはない
足をかけた階段
直ちにふりむくと略奪された娘の渇きに錆が生える
旋回する腹の翼に風は腐食する
溶解した思考の刃は陽光を浴びて盲い
七色の形而上学を見分けることもできない
虚栄の電色コードで縁取られ
肥大した鈴とたるんだ雪を垂らす四面の壁
ここには窓も扉も存在せず
凝視すべき真理を求めることはできない
盲目にもなれず彷徨するこの世界は
夜の闇を知らずに自我をあわれむ
四畳半の世界は自我と円かに統一し
壮大きわまる私の叙事詩はホメロスさえも及ばない
われわれはわれわれを手にかけ
怠慢な川の流れを止めなければならない
四面にそびえる堅固な泥炭は腐臭を照りつけて
われわれはわれわれの息を一度破壊せねばならない
そこには油をさした受動性よりもなめらかに
実在の声を聞く窓辺で荒野を見ることができるかもしれず
実在の矢がこの目に突き刺さる熱を知る
認識の毛並みには摩擦もなく
私と呼ぶ私とまた私と呼ぶ私が
手を合わせることのない中で
ただ一千光年前の光を現在だと信ずる
かたや真昼の石膏の上で
あるいは宵の帳をめくって
この目は触れるものをみな穢し
なお旺盛な思考の腹を満たすことはない
足をかけた階段
直ちにふりむくと略奪された娘の渇きに錆が生える
旋回する腹の翼に風は腐食する
溶解した思考の刃は陽光を浴びて盲い
七色の形而上学を見分けることもできない
虚栄の電色コードで縁取られ
肥大した鈴とたるんだ雪を垂らす四面の壁
ここには窓も扉も存在せず
凝視すべき真理を求めることはできない
盲目にもなれず彷徨するこの世界は
夜の闇を知らずに自我をあわれむ
四畳半の世界は自我と円かに統一し
壮大きわまる私の叙事詩はホメロスさえも及ばない
われわれはわれわれを手にかけ
怠慢な川の流れを止めなければならない
四面にそびえる堅固な泥炭は腐臭を照りつけて
われわれはわれわれの息を一度破壊せねばならない
そこには油をさした受動性よりもなめらかに
実在の声を聞く窓辺で荒野を見ることができるかもしれず
実在の矢がこの目に突き刺さる熱を知る
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