合理精神

2004年12月19日
合理の斧は挫折の運目をたどる。分割し得ぬ存在の脈動を諸存在に切り裂き、自らの楼閣に淡い光を差し伸べて。

私はパラドクシカルなあなたの部屋にささやかな水差しを添えるつもりであった。階段は昇るにつれ痩せ細り、光を遮断する鏡の姿が観念の王冠を不合理へと投げ入れた。進みうる、また進むべき塔への門にも思えた螺旋の天井。盲いた詩人は妙なる光に幻惑されず、先細り、遂に空中を歩くまで彼岸の思惟を求めているのか。
不合理の願いは理性と論理への反抗ではなく相対化なのだということを私は耳にする。私を導くあの星はいまなお道を照らしているが、熱のこもったそして穏やかな理性の顔から私は弱々しい手付きで斧を受け取った。
歩行の音色を届けた人よ、星も太陽の前には姿を失い照らされた日々の闇を引き受けはしないだろう。

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