天地むなしく

2004年10月29日
私は雲海でマンホールに座り
輝く顎ひげで諸々の道を照らす
曇った諸々の言語がやって来る
彼らは燃えさかるガラスのように
黒い身体に注がれて
私から耳目を切り落とす

八面の扉を前にして言語は惑う
正しい言葉を選びえず
赤黒い炎は地下へ潜ろうとするが
下水道のせせらぎそこになく
苦行者の折れ曲がった手足がひしめいている
円の理念とマンホールとの究極の一致を試みて
彼らは歌声が自然の鋳型だと吹き鳴らすが
みずからがささやく裸体画にすぎない

言語は天地創造の主である
世界は一切が言語である
沈黙はもはや存在をもたず
空虚な狂人の舞踏にひとしい
名をもたねば清げなる谷間の百合も
もはや何ぴとの目にもとまらない

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