繊毛だらけの缶が立ち並び倒れていく
そしてどれもがまくしたてる諸々の思想
 頭から水仙をはやした者を侮蔑すべきである
 楽しげに花粉をまきちらす者を泉に蹴落とすべきである
染みだらけのブリキは歯をむき出して猛り狂い
液体のメッキに罵声達がしわをつける
 森羅万象に霊感を受けたと内面ではしゃぐ詩人を侮蔑すべきである
 自己の豊かな感受性を称する者は虚栄心を拭えない
  語りによって自我は顕示せざるをえないゆえ
 自ら鋭敏な知性を謳う者に無知の知は実践し難い
  口先で無知を認めても判断に際してそれを忘却するゆえに
狭く無形の段ボールには窓もない
諸々の思想は転げ回って互いに殴打し
際限を知らず増殖する機内
 「あらゆる言説は虚栄や自惚れから自身に反射する
 「あらゆる罵倒もしかり
 「罵倒は自身への矢であり同時に甘い水仙の泉である
わたしは行く先の知れぬ志向をぶらさげ
いまだ鳴り止まぬ空き缶のダンスを聞く

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