(文語訳)
まことのこころ契るるに
障りありとは我言わじ。時の経つるに
心冷め、あだな浮気に屈すれば
愛はもはや愛ならず。
愛こそつゆたゆまじの証しなれ、
嵐なりとて揺るがぬや。
愛こそさまよう舟の星よかし、
高きの程ははかれどもいよいよ真価は知られまじ。
かの紅顔に時の大鎌もたげても、
愛は道化になるまじや。
ながきに渡り我が愛の変わらざること示すべし
たとい死の淵なりとても
 是が過つこと我が身にて明かさるれば、
 詩は白紙にて世に愛したおのこなし。

(口語訳)
心と心が結ばれるのに
何の障害があろうか。時の流れに
心も冷めて、浮気心に屈するならば
もはや愛も愛ではない。
ああそれはけしてたゆまぬ証、
嵐の中でも揺るぐことはない。
さまよう小舟にとっては導きの星、
高みにあるとはわかろうが真の価値ははかり得ない。
薔薇の頬と唇に時の大鎌がもたげても
愛は時の道化を演じはしない。
わずかな月日でこの愛が変わらぬことを
たとえ死の淵でもしめしてみせよう。
 私の心が言葉と違えるならば
 この詩は白紙、愛した男もいないのだ。

*原文テクストはAbsolute Shakespeare(http://www.absoluteshakespeare.com/)を参照

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