郵便番号がワクから逸脱し
不潔な読解が私に届けられる
痛々しい数字の並びは
こっけいに肩を落としている
雨水の操作で溶け去った
その名も住まいも
発光する高貴は鈍くかすむのみ
腐敗する絹の封に賤民は落涙するも
文字(もんじ)に卑しき穢れを付くるのみ
曰くかの名はトリスタン
下劣な船にて芸ひさぐ
詭弁巧みな王子とか
ヴィオロンの声トリスタン
微細な粒子の振動が
光り輝き共振し
いとも妙なる色の音に
わずかな痛み風を呼ぶ
故郷にありて悲しきは
むしろ我が罪奴隷商
靄にただようこの光輝
臭い喉へとおしこめて
虚栄に彼をぞささげつる
もはやきらめき影もなし
我愛の陵辱許すまじ
我は我愛を許すまじ
(罪悪よ 新しい冒険と未来世代の収穫を……)
かくのごとく見た文面にのりあげる船は
やまぬ陵辱の風に帆を下ろすばかり
山上で孤独に安らぐは故郷にてあらず
ツァラは詩人にして哲人にあらず

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