審判

2004年7月14日 明晰な口語詩
ひとり法廷に立たば
裁く者あらずひとり
不毛の答弁は告発に
告発はぬるみぬ妥協へと
自ら我を裁く我
我は我にぞ裁かるる
恵みに飲み干す水は鞭
肌に食い入る鞭なるに
鈎刃の痛みわれもなし
鞭で裁きの終わるなら
血の一陣も流そうぞ
蛇も陽気にとぐろまき
餓鬼の首根と戯れん
血似(も)て煩悩欺くは
まこと根深き煩悩よ
鐘を鳴らして耳聾し
などて毒矢の抜かるるや
ひとり立ちたる法廷に
裁きの主求むまじ
まして購う担保など
何ぞ乞わんや思わんや
己が悪こそ購われ
よそへ罪をばなすりつけ
何ぞ喜悦を覚えんや
我は受けたる我が裁き
悪は悪よと身に受けて
ひとり歩まん犀のごと

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