わたしは楽しげに腐敗しとろけた小麦を貪り
電柱を抱擁しては眺める新聞を脇にかじりつく
白熱電球を筆の相棒にし般若の面を罵りもする
書物は真夏のコンロで薪となり
偶然轢かれた猫に粉チーズをふりかける

缶コーヒーの表面に蓄積する玉虫色の靄を飲み下し
鑑定士の声が雌豚じみていることのゆえに
一点透視の線描画に金粉をまぶし絶賛する

正義の眼球を籤で選抜し
真理を発言者に向けて塗りたくる
バターの香り漂う海老の溶解は道路に散逸して膿まず
摂取口をなくした蚕に飽かず柏を与う

時よ時よ おまえは白濁した閃光の訪れで形相をなし
あらゆる善悪が内在する質料のごとく
鈍い口蓋を食物で満たすのだ

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