ブルームス・デイによせて
2004年6月16日 6階の蛇口をひねっても出ないところの100のアルケーを光の人は驚きをもって言った。
−水。燦然とかがやく理のうちに技術に社会的事象のあらゆる原因が帰されるところの、あ、箸落とした、まさしく技術が生きているがごとくの物活論だとって嘘くさいこというなよ田中
特定される口論の原因がなければすなわち無限定であるところの生成物であるがゆえに、体格の悪い田中君は脱力感あふれる情緒で司法試験にむけてやる気の濃縮化と希薄化に世界の構成を思うのである。
−10かける10が百だって何の価値があるというのですか。あほくさ。君奨学金のみをもって生計立てている身で無規定に、つまり何の思慮もなくまたもや10のカテゴリー表らしきものを卓にならべてよろしいわけない。ないないない。
−カテゴリーとか言うな。裏の競馬場ぐらい暗い夜道を泣きながら試みに行ってみれば天下のまわりもの、つまりあると思っていたものが次の瞬間にはなくなっている、したがってありかつないと言わねばならぬ生成消滅のロゴスをば身をもって理解できたりするんじゃなかろうか。おい、火かせや。
−笑止千万、闘争嫌いだし。君には目はあるが理性はないと断然見たねそれがしは。だから仕送り断られるのじゃないですか、あ、今脛を蹴りましたね。怒りについて語れや女神!てなわけでアキレスが亀を追い越せないパラドクスの作り方が君には理解できまいよ。彼の応援団も意味不明ぽいけどね。
−うおのめには根があるからしつこい。前に四つの学校全部中退したからまあちょうど元素が四つで何でも造れそうなんだが、家族ぐるみで愛憎劇、おかげできれいに分散してあとかたもなしというわけである。といったかかるわたくしの過去を語ったところで等しいものは等しいものによってしか認識されないんだろーけどサクマドロップ。
口に残った梅干しの種子をはてしなく分解しようと試みながら田中君は不健康な顔色で最小の大きさまでくだけえぬこの不条理をかみしめると天候からアテナの御託宣でもふってきそうで切手をなめる。
−フォルスタッフの教理問答を始めるつもりはありません。切手をなめる。封筒に貼る。ポストに投函するそして記された通りの住所に到達される。ヌースの力によって達成されるしかるべき経由じゃないかと座禅堂の鐘がなったのでもう脚を解きますが。
−故郷は遠くにありて笑うもの、海と溶け合う太陽パーラーだ。
かくして両者の問答は原子論に達し得ぬまま階段の下降によってさわやかな一日のはじまりとともにあらゆる命題が等価値であるという態度とともにDADAなのである。
*ブルームス・デイ
ジェイムズ・ジョイスの小説『ユリシーズ』の舞台として設定されているのが1904年6月16日ダブリン。本日のちょうど百年前にあたるのであります。ありとあらゆるものが出て来るというかタイトル通りのギリシア文化愛好なのか、このようなおりに誘われてわたくしも本腰をいれて通読してみようと試みに。
−水。燦然とかがやく理のうちに技術に社会的事象のあらゆる原因が帰されるところの、あ、箸落とした、まさしく技術が生きているがごとくの物活論だとって嘘くさいこというなよ田中
特定される口論の原因がなければすなわち無限定であるところの生成物であるがゆえに、体格の悪い田中君は脱力感あふれる情緒で司法試験にむけてやる気の濃縮化と希薄化に世界の構成を思うのである。
−10かける10が百だって何の価値があるというのですか。あほくさ。君奨学金のみをもって生計立てている身で無規定に、つまり何の思慮もなくまたもや10のカテゴリー表らしきものを卓にならべてよろしいわけない。ないないない。
−カテゴリーとか言うな。裏の競馬場ぐらい暗い夜道を泣きながら試みに行ってみれば天下のまわりもの、つまりあると思っていたものが次の瞬間にはなくなっている、したがってありかつないと言わねばならぬ生成消滅のロゴスをば身をもって理解できたりするんじゃなかろうか。おい、火かせや。
−笑止千万、闘争嫌いだし。君には目はあるが理性はないと断然見たねそれがしは。だから仕送り断られるのじゃないですか、あ、今脛を蹴りましたね。怒りについて語れや女神!てなわけでアキレスが亀を追い越せないパラドクスの作り方が君には理解できまいよ。彼の応援団も意味不明ぽいけどね。
−うおのめには根があるからしつこい。前に四つの学校全部中退したからまあちょうど元素が四つで何でも造れそうなんだが、家族ぐるみで愛憎劇、おかげできれいに分散してあとかたもなしというわけである。といったかかるわたくしの過去を語ったところで等しいものは等しいものによってしか認識されないんだろーけどサクマドロップ。
口に残った梅干しの種子をはてしなく分解しようと試みながら田中君は不健康な顔色で最小の大きさまでくだけえぬこの不条理をかみしめると天候からアテナの御託宣でもふってきそうで切手をなめる。
−フォルスタッフの教理問答を始めるつもりはありません。切手をなめる。封筒に貼る。ポストに投函するそして記された通りの住所に到達される。ヌースの力によって達成されるしかるべき経由じゃないかと座禅堂の鐘がなったのでもう脚を解きますが。
−故郷は遠くにありて笑うもの、海と溶け合う太陽パーラーだ。
かくして両者の問答は原子論に達し得ぬまま階段の下降によってさわやかな一日のはじまりとともにあらゆる命題が等価値であるという態度とともにDADAなのである。
*ブルームス・デイ
ジェイムズ・ジョイスの小説『ユリシーズ』の舞台として設定されているのが1904年6月16日ダブリン。本日のちょうど百年前にあたるのであります。ありとあらゆるものが出て来るというかタイトル通りのギリシア文化愛好なのか、このようなおりに誘われてわたくしも本腰をいれて通読してみようと試みに。
コメント