砂の粒一つ一つが共振し
夜となく朝とない大地のしわぶき
札付き霊媒婦人は無情にも脱魂状態にあり
嗚咽はドームに響き渡り
空果つる天蓋に響き渡り
密輸入した黒いオリーブの口からは
罵倒と破滅の歌しか注がれない
かつて歌とは女よりも柔らかで
錆たる刃を躍動に変える聖水であった
たて琴は幾多の命題にもつれた血管をなだめる潤滑油であり
それらを漕ぎ出す少年は羊よりも誠実だった
しかし罪悪を任じ概念を讃える語気は各々と共振し
降り注ぐ血脈と殴打にわたしはわたしを知る

今や山上の剣は異邦人の手を待ち望み
油の誉れさえも風化して頭上はひからびる
恩寵の証も糾弾の槍にすりかわり
共謀する慰めの歌が逃れ得ぬ断罪を放つのだ
雷に追放されながら戦場を駆け巡る様は
目を割きのたうつ魚のように
語ることもできぬまま賛美のみを口にする
しかし死への補償が配列に加わったことはなく
至上の宝物を得るために犯したもろもろの罪悪は
陽光の渇きを代価に苦い留保を与えるが
死によってさえも概念の空虚な目から逃れることはかなわない
唱えられぬ御名は炎の凶暴な油となり
わたしは降り注ぐ血脈と殴打にわたしを知るのだ

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