矢印と頭脳の中で孵化しつつある言葉の理解をはかりにかけて
腐敗つつの水仙は日陰にて思索する
陸続きの隣国が見えるがごとくにバス乗り場は指示されて
かたや空中庭園の指令は目に映らずも飲み込まれる
ならば絵描きに帯電する色彩形象の一切はいずこにあるのか
地獄の隠蔽を罰せられる天使たちの笛の音にあらず
むしろ大地の内奥から流れくる死屍累々の黒土に宿る
しかし翼をもった魚たちは大気と大海をすりぬけて
赤赤とした燐光が妙なるその軌跡を残している
絵描きの手と手もこれに等しい
線描の林を抜けて七色の泉に浴し
飛び散る風を額に集めるや形象の一途を疾走する
地よ天よ 意識を切り裂き実在を縫い取るかの技はいかなる力を帯びているのか
もろもろの外殻を粉砕し形相の色彩を看破する一瞬の雷は地上にひらめいている
知覚と理解のイメージよ かの技は地にしびれ無彩の部屋に炎のきらめきを駆りたてる
 大火は丘から見遣る斜陽の天使にあまりにも眩しく
 盲の道も根無し草の空言に嘆息を落とす

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