黄色となりはてた青菜を見つつ
惜しむらくは刹那

朝の学び舎に並ぶ乙女と小人が
共に紺のスカートを身に着けている
青々とのびやかな四肢を仰ぎ
反証的に五体の均整を見下ろす
白々とした陽光の楽しげなさまを私は悲しむ

渇仰したあの刹那

霧の晴れた対岸に見える女たち
身のこなしは慎ましく
レストランでは花鳥風月を注文し
雪のひとひらも髪を梳るのか

刹那を惜しむは彼女らの徳である
冷酷な時の鎌に身構えるも
誤植だらけの時刻表にはプラットホームも空しい!

惜しむらくは刹那

しかし時の流れは仮象と覚え
声なき電話に疾走がきらめく

あの日の乙女と小人を
歩道にできた空間の窪みを
むずがゆいあの磁場を
それは刹那にして想起の絵像となり
目を閉じてはならぬ現前として
拘束服と雲に捧げる保全区域の愛を見つめる

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