馬をなだめる

はかばかしい墓の由来を口にしてはならない
　それこそが卑しい者である
無垢な狼藉が放つ罪悪を任じてはならない
　春の一時をむさぼってしまうゆえ
憤怒の枝を身につけて梢が蒼天に網をかける様を悠然と眺めるばかり
哲人の盃を飲み干せば不正の道徳なる両性具有が戸口と戸口とを開け放ってくれるだろう
地上に座して草木を語れ
池のほとりを飾る雪の声を聴け
はり巡らされた因果の網を溶けさる憤怒に譲渡してはならない
同じく自責に操を渡してはならない
水素と酸素が歌い出すまでに
梢が覆う天にこの地をみるといい
牢獄にあるサトゥルヌスの何と美しいことか
たえまない変化に彼を包むことは真か偽か
やがて薄れた宵闇に口唇も溶けさる
自らに自らの茶番を請うなかれ