すずろなり

認識のまぶたはおろされ時の尺度存在の尺度愛の尺度が飛び交っている。
天を穿つ無数の針は燦然として声音玲瓏な意志を隔てるていた。路銀は尽き、飲み水を多量に抱えそれでもなお渇きの嘆きを訴える旅情の虚偽よ。
弾劾を依頼した善は夜明けとともに身を隠してしまった。むしろ虚像が白日にさらされた。観念の誘惑だ。退く合図は埋め込まれている。ぐずぐずしてはならない。さりとて憔悴も禁物だ。空虚な牢獄よ、陽光を鍵に善の網目を放ってくれ。人質は冬までやっては来るまいが肉を捧げて供養としよう！
美は謳歌できるのか。嘆きの甘露に身をゆだねてはいないか。甘露ではなく毒をかかげる宵闇だ。残念ながら盲の耳より鋭い。足に伝わる大地の眠りよ。瞼を開きかけたおまえの淫蕩は願ってもない傑物だ。
ならば風に殴打を依頼しよう。